先日、ふと日経新聞を読んでいたら、以前の職場の同期が一部上場企業の社長になっていた。早速おめでとうの連絡をしたら、「お互い前進あるのみだ、頑張ろう」と帰ってきた。新たなチャレンジ・より大きなステージに前向きに立ち向かう姿勢は相変わらずだ。
彼とは、新卒で入った商社の同期だが、その後の転職先でも偶然一緒になった仲である。(いきなり職場の机の隣に立っていてびっくりした覚えがある)
同じくネット分野でのマーケティング、新規事業立上げが専門で、刺激を受けることも多かった。そもそもナイスガイで、僕よりサッカーも数段うまいのがタマにキズだが。
そんな彼から教わった、とても好きな考え方が一つある。大げさに言えば「新規事業立上げの心得」と言ってもいいものかもしれない。
あれは、転職先でのある暑い夏の日の残業中のこと。僕は彼とメッセンジャーで仕事でチャットをしていた。(その会社ではメッセンジャーを業務で普通に使っていた)
で、何かの流れで雑談となり、僕がメッセンジャーでこう送った。
「将来起業して、新しいサービスを立ち上げたいと思ってる。」
「ネット系をやりたいけど、参入障壁も低く競争も激しいし、そう簡単には上手くはいかないよなあ」
彼は以前、ゼロから新しく市場を創り出すサービスを立ちあげたコアメンバーだった経験を持っている。だから何かしらアドバイスくれるかな、と心のどこかで思っていたかもしれないし、単に自分の気持ちを誰かに伝えたかったのかもしれない。30代前半。自分のはやる気持ちを若干もてあましていた頃なのだ。
すると、彼からのメッセージがメッセンジャー経由で送られてきた。一文一文。次々と。いつもの力強い口調そのままに。
「なるほど。確かにそんなに成功確率は高くないかもな。だけどこういう考え方もある。」
「例えば、オマエが立ち上げる、ある新サービスの成功確率が30%だったとしよう。」
「確かに70%は失敗する。。。だけどな。」
「1回目だけで成功しなければならないことはない。2回目チャレンジすることを考えてみればいい。 成功確率は、100%-70%×70%=51%だ。」
「3回にしてみろ。そうしたら、100%-70%×70%×70%=66%。つまり、オマエの成功確率は66%なんだ。」
「実際には2回目、3回目は失敗の経験を活かしているからもう少し成功確率はあがる」
「いかに早く見極め、立ち直り、修正していくか。諦めずに信念を持って続けていくか。これが大事だ。」
メッセンジャー経由で短文が次々に送られてくるたびに、なるほどとハラオチしながら、何だかとても興奮したことを覚えている。そして勇気をもらったことを覚えている。
僕は、今でもこの考え方をとても気に入っている。
いつか書こうと思っているビジネス小説に、この場面は必ず出したいと思っている。
以上、応援に代えて。お互い失敗を恐れず頑張っていこう。